選挙応援の演説の文例について
選挙応援でのスピーチのポイントについて
選挙関係でのスピーチのポイントは、TPO(時・所・場所)によって大きく違ってきます。
選挙民の目はもとより、マスコミも意識しなければならない。その意味では、言い間違いは許されず、かなり高度な話術と、きちんとした内容が要求されるので、下書きを書いたあと、念入りに推敲することが大切です。
一般的には以下の3つの点に注意してください。
1.立候補者の人となりや政治信条を、分かりやすい言葉や具体的な事例で伝える。
2.党レベル、組織レベルの主張は、立候補者本人に任せ、選挙民、生活者としての立場から、当選させてほしいと訴える。
3.街頭演説などでは、周辺の状況にも目を配り、マイクの声量にも注意し、声の抑揚なども工夫して聞き手に語りかける。
議員立候補者激励会での支持者のあいさつ
☆議員立候補者激励会での支持者のあいさつ・1
POINT:立候補者の人柄を紹介するとき、具体的な事例を示すと、選挙民の理解を得られやすい。
商工組合理事長の井上でございます。市民の皆さんには、日ごろ何かとご協力をいただき、深く感謝申し上げております。
今回、山村孝之さんを市議会に送るに当たり、私たち商工組合としも、全面的にバックアップさせていただくことになりました。山村候補の誠実で人間味あふれるお人柄はもちろんですが、民生委員としての長いご経験、実績をぜひ市政に反映していただきたいと思ったからです。
山村さんは、市内の恵まれない家庭はもとより、日本で孤独な生活を送っている東南アジアの人々にも援助の手を差し延べ、自立できるように尽力しておられます。
私は、我が県を活性化させ、その未来を開くには、こうした視野をもつ人材が不可欠だと考えます。私たち全員の力で、山村さんをぜひ市議会に送りましょう。
☆議員立候補者激励会での支持者のあいさつ・2
POINT:立候補者の人柄や考え方を、若い日のエピソードで説明するのが、友人の応援演説の役目です。
こんにちは。山村くんとは高校時代からの友人の堀江と申します。このたび、山村くんが市会議員に立候補すると聞いて、応援に駆けつけました。
私は大学生のとき、山村くんと東南アジアを旅行したことがあります。そのとき、貧しい身なりをした子どもたちが、私たちに寄ってきて手を差し出すのです。山村くんは、その子たちの手に、硬貨を何枚かずつ握らせました。
「そんなことをして何の意味があるんだ。偽善だよ」と、私は彼を責めました。山村くんは寂しそうにこう言いました。
「何の意味もないよ。でも、あのわずかなお金で、あの子たちは今日一日飢えずに過ごせるかもしれない。それだけのことさ。」
そんな山村くんが市会議員に立候補したのも当然のことなのです。社会的弱者に温かい心をもっている山村くんに、ぜひ市政の場で活躍してほしいと思います。
市長立候補者演説会での支持者のあいさつ
POINT:「皆さん」と何度も繰り返して、選挙民の参加意識を盛り上げていく。
山田市長の当選を心から期待する一人として、ひと言、応援のご挨拶を申し上げます。
皆さん、いまこの町の政治にどうしても必要なのはさわやかな風です。さわやかでありながら強い風です。
皆さん、山田さんはその風貌を見ればお分かりのとおり、実にさわやかな人です。清廉潔白な人です。といっても、やさしさだけのひ弱な人間とはちがいます。強い信念とたくましい実行力の人です。これまでの山田さんの市民運動での経験が、そのことを明白に物語っております。
皆さん、山田さんを先頭に、この町にさわやかで強い風を吹き渡らせようではありませんか。
私は全力をあげて山田さんを応援いたします。お集まりの皆さんも、どうぞお力をお貸しください。みんなで力を合わせて、山田さんにぜひとも市長になってもらおうではありませんか。
町長立候補者演説会での支持者のあいさつ
POINT:政策論争が起こっている場合は、支持する理由を具体的に明確に述べ、理解を求めます。
皆さん、こんにちは。大川町の山下でございます。このたびの町長選では、大橋亨候補を応援する立場から、ひと言ごあいさつを申し上げます。
わが町ではいま、新たな大規模な観光開発が話題になっていますが、私は、自然保護の立場からこの開発を凍結するという、大橋候補の方針に全面的に賛成いたします。
皆さんも御存知のように、大川高原はすでに観光施設でいっぱいです。私たちが幼いときから親しんできた美しい自然、豊かな緑は見る影もありません。これ以上開発を進めると、大自然の中の高原の町というイメージは完全に失われてしまいます。
開発促進派は、生活か自然保護かの二元論でしか考えようとしませんが、大橋候補は違います。自然保護の立場から、新しい町おこしを基本方針とする大橋さんを当選させましょう。ご支援をお願いいたします。
議員立候補者演説会での支持者のあいさつ
POINT:立候補者の日ごろの活動の様子を選挙民に伝え、「信頼できる代表」であることを強調する。
こんばんは。大浦町の森田です。本日は、日ごろから地域活性化の活動に熱心に取り組んでいる山村政夫さんが、私たちの熱烈な説得に応えて、このたびの市議会議員に立候補者をしてくれたので、支援者の一人として喜び勇んで応援に駆けつけました。
皆さんも御存知のように、わが町は有効な町おこしの手立てもなく、人口も減少の一途をたどっています。このままでは将来がとても心配です。
そこで、山村政夫さんです。地域活動家としての彼の活躍は、皆さんも御存知のとおりです。この数年間の実践で政治センスも大いに磨き上げています。
地域党ともいうべきフリーな立場も魅力です。私たちの信頼できる代表として、山村政夫さんをぜひ、市議会の場に送ろうではありませんか。ご支援を心からお願いいたします。
「短いスピーチ実例集」より